無線工学222(3)

R4.10a-20

 次の記述は、自由空間における電波伝搬について述べたものである。(   )内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。

(1)  等方性アンテナから、距離\(d〔m〕\)のところにおける自由空間電界強度\(E〔V/m〕\)は、放射電力を\(P〔W〕\)とすると、次式で表される。
   \(E=\frac{\sqrt{30P}}{d} [V/m]\)
 また、半波長ダイポールアンテナに対する相対利得\(G\)(真数)のアンテナの場合、最大放射方向における自由空間電界強度\(E_r〔V/m〕\)は、次式で表される。
   \(E_r≒( A ) [V/m]\)

(2)  半波長ダイポールアンテナに対する相対利得が15〔dB〕の指向性アンテナに、2〔W〕の電力を供給した場合、最大放射方向で、受信点における電界強度が5〔mV/m〕となる送受信点間距離の値は、約( B )〔km〕である。ただし、アンテナ及び給電系の損失はないものとし、\(\log_{10}{2}\)の値は0.3とする。

  A     B

1 \(\frac{G\sqrt{30P}}{d}\)   49.6

2 \(\frac{G\sqrt{30P}}{d}\)   24.8

3 \(\frac{7\sqrt{GP}}{d}\)     11.2

4 \(\frac{7\sqrt{GP}}{d}\)    7.9

解答

3 \(\frac{7\sqrt{GP}}{d}\)     11.2

(1)  等方性アンテナから、距離\(d〔m〕\)のところにおける自由空間電界強度\(E〔V/m〕\)は、放射電力を\(P〔W〕\)とすると、次式で表される。
   \(E=\frac{\sqrt{30P}}{d} [V/m]\)
 また、半波長ダイポールアンテナに対する相対利得\(G\)(真数)のアンテナの場合、最大放射方向における自由空間電界強度\(E_r〔V/m〕\)は、次式で表される。
   \(E_r≒\)( \(\frac{7\sqrt{GP}}{d}\) ) \([V/m]\)

(2)  半波長ダイポールアンテナに対する相対利得が15〔dB〕の指向性アンテナに、2〔W〕の電力を供給した場合、最大放射方向で、受信点における電界強度が5〔mV/m〕となる送受信点間距離の値は、約( 11.2 )〔km〕である。ただし、アンテナ及び給電系の損失はないものとし、\(\log_{10}{2}\)の値は0.3とする。

解き方
 \(E_r≒\frac{7\sqrt{GP}}{d} [V/m]\) は真数の式なので

 ①半波長ダイポールアンテナに対する相対利得の15〔dB〕をデシベル計算で真数にする。

 ②\(E_r\)の式を使用する
   \(E_r≒\frac{7\sqrt{GP}}{d}\)
   \(d≒\frac{7\sqrt{GP}}{E_r}\)
   \(d≒\frac{7\sqrt{32×2}}{5m}=\frac{7\sqrt{8^2}}{5m}=\frac{56}{5m}=11.2 [km]\)

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