ざっくり結論から言うと、以下を駆使して計算します。
デシベル計算 ※電圧は2倍
+10dB=10倍 +3dB=2倍
-10dB=1/10倍 -3dB=1/2倍
以下に問題の解き方を示します。
問題1:1〔mW〕を0〔dBm〕としたとき、4〔W〕の電力は36〔dBm〕である。 〇か✕か?
解き方:下図の①~⑫の手順になります。
したがって、正解は〇です。 1〔mW〕を0〔dBm〕としたとき、4〔W〕の電力は36〔dBm〕である。
また、デシベル[dB]に関する豆知識として、真数の世界では掛け算が行われますが、対数[dB]の世界では足し算が行われることに注意してください。
真数の世界:1[mW]×2倍×2倍×10倍×10倍×10倍=4,000[mW]
対数[dB]の世界:+3[dB]+3[dB]+10[dB]+10[dB]+10[dB]=+36[dB]
問題2:1〔mW〕を0〔dBm〕としたとき、-14〔dBm〕は何〔W〕か?
解き方:下図のとおりです。
したがって、正解は0.04[mW]です。
問題3:1〔μV〕を0〔dBμV〕としたとき、0.8〔mV〕の電圧は58〔dBμV〕である。 〇か✕か?
この問題では、電圧は2倍になることに注意してください。
ポイント1:公式には真数を代入します。
例えば、受信機の雑音を評価する公式に等価雑音電力\(N_o\)の公式があります。
\(等価雑音電力N_o\)
\(N_o=kTBF [W]\)
\(k:ボルツマン定数 1.38×10^{-23} [j/K]\)
\(T:絶対温度[K]\)
\(B:増幅回路の帯域幅[Hz]\)
\(F:増幅器の雑音指数[真数]\)
問題では、雑音指数の値だけ真数ではなく、[dB]の値が与えられます。そのため、[dB]のまま公式に代入しても間違いとなります。
問題1の最後で触れたとおり、真数は掛け算の世界ですが、[dB]は足し算の世界ですので共存は出来ません。要注意です。
ポイント2:デシベル計算を使う問題は下記の2パターンになります。
・公式に真数を代入後、真数→[dB]に変換
・真数→[dB]に変換後、[dB]で計算
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ポイント3:デシベル変換(素因数分解)
特に一技では、複雑な計算の問題もあります。
例えば、指向性利得\(G_d=\frac{2×10^4}{3^2}\) ←真数 をデシベルに変換する場合は、
デシベル変換(素因数分解)
真数2=3[dB]、真数3=4.8[dB]、真数10=+10[dB]、真数1/10=-10[dB]
×は+、÷は-
真数 Gd=2×10×10×10×10÷3÷3
デシベル Gd=3+10+10+10+10−4.8−4.8=33.4[dB]
と言う事で、素因数分解して真数⇔[dB]、×⇔+、÷⇔- の変換をして求めます。
慣れるとこちらの方が扱い易いと思います。
ポイント4:デシベルを極めたい。
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